「ヒマラヤからウラヤマまで全てのヒトにアライテント」クスリと笑ってしまうキャッチフレーズで知られる山岳テントの老舗アライテント。
製品のほとんどが、創業者・新井睦さんをはじめとする熟練した職人の手により作られています。
ささや
ドマドームライト1の外観
まずはドマドームライトの特徴である、土間部分を中心に外観をご紹介します。
ちなみに、ドマドームライトの名前の由来になっている「ドマ」とは、日本古来の住宅様式の「土間(どま)=家の中にあって、床を張らないで地面のままになった場所」のこと。
屋内でありながら、汚れてもいい場所を指します。
フライシートを閉じていれば、ごく普通のテント。
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この部分が「土間」です。45リットルのザックを置いてみました。
入り口がかなり広いので、入り口だけ開けても開放感があります。
土間部分のフライシートを巻き上げるとさらに開放的に。
「熟練」を意味するアライテントのオリジナルブランド『RIPEN』のステッカー部分。
反射素材なので、暗い時間帯には入り口を確認しやすく出入りに便利です。
収納した外観はこちら。左より、ペグ・アンダーシート・本体。
本体の収納袋にはコンプレッション機能が付いています。
ドマドームライト1の特徴
次に、特徴や使ってみて気付いたことなどをご紹介します。
シームコート処理
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ドマドームライトの主要な縫製部分は、防水テープ加工されています。
その部分の外側に付属するシームコートを塗ることで、防水性能をアップさせるのが目的です。
方法は簡単。
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説明書に記載がないことから、繰り返し処理する必要はなさそうです。
私は、この先使い込んで防水性が心配になったら、その部分だけ処理を追加しようと思っています。
私は届いてすぐに室内で処理をしたのですが、後で見るとシームコートが床にこぼれていて取れなくなってしまいました。
換気の必要もありますので、屋外での処理をおすすめします。
シームコート処理について詳しくはこちら
「土間」について
「なぜドマドームライトを選んだのか?」
ささや
土間が欲しくない人は、ドマドームライトを買う必要ありません!
超整理好きな私は、たとえ山でもテントの中を整理しないとくつろげない性格です。
その点ドマドームライトなら、濡れた靴・ザック・上着などは土間に置いておき、メインルームではフカフカのシュラフでゆったりくつろげます。
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雨の日の調理、皆さんどうしていますか?
ドマドームライトなら、よほどの暴風雨でない限り、土間で前面を開けて調理すれば雨の日でも開放感を楽しみながら調理できます。
といってもテント内での調理には危険がありますから、今後は土間の天井部分に防炎シートを取り付けられるような工夫をしてみたいと思っています。
テント内での調理は、換気など細心の注意を払ってくださいね。
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立ち上がりがあっても、風が強いと雨や雪が入ってくるテントがありますが、この立ち上がりが深いので安心して靴やザックを置いておけます。
土間部分はペグ無しで自立します。
コンクリートやウッドデッキ、砂地などペグを打てない場所に行くことが多い自転車やバイク旅でのキャンプに便利です。
ドマドームライトの設営方法
ポールが3本必要なので、通常の山岳テント(ポール2本)と比べると面倒と感じる人もいるかもしれません。
しかし、ポールはすべて同じ長さで扱いやすく、慣れれば10分くらいで設営可能です。
ポールは赤い矢印方向へスリーブに差し込むと、画像赤丸部分の終点で止まりアイレット(ハトメ)に差し込む必要がありません。
そのため、反対側に回らなくてもよくてとても楽。
風が強いときは、あらかじめこの終点をペグダウンしておくと張りやすくなります。
3本全てスリーブに通したら、差し込み口側のポールの先端をアイレットに差し込み立ち上げます。
フライシートはバックルで留める簡単操作です。
最終的に、このバックルでベルトを締めてテンションをかけます。
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撤収については、他に使用しているモンベルの山岳テント「ステラリッジ」と比べても特に難しいということはありません。
テント内部の広さ
多くの人がドマドームライトの購入時に、どのサイズを選ぶかということで悩むようです。
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調べたところでは、一人での使用にはドマドームライト2をおすすめしているサイトが圧倒的に多い印象でした。
私は、キャンプ場などでのキャンプなら2か3を選びましたが、山での使用がメインなので広さと重量のバランスから1を選びました。
中にマット(THERMA-REST Z-LITE・レギュラー)とシュラフ(ナンガ・オーロラライト600DX)を置いてみた感じがこちらです。
シュラフで一杯になっていますが、寝るには十分な広さが確保でき、他の荷物は土間に置いてあるので室内もスッキリ片付きます。
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頭側
足側
ドマドームライトの強度
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ポールの素材は韓国DAC社製のNSL9フェザーライトを使用。
アメリカのメーカーが主流だったテントポールの世界で、創業後瞬く間にトップブランドとなったメーカーです。
その魅力は、製品のクオリティーの高さはもちろん環境に優しいこと。
話しは「強度」から逸れてしまいますが、アルミの防錆加工では製造過程で多くの有害物質が排出されます。しかし、DAC社では非常にクリーンな方法を採用していることがテントメーカーから選ばれる要因の1つになったとか。
自然をいつまでも楽しむために、山の道具には環境に配慮した製品を選ぶことも重要ですよね。
ペグもDAC 社製、重さは約14gです。私が通常使う分には、強度は十分と感じます。
ネット上には少し弱いという意見も見られますので、気になる人はより強いペグを探してみるのも山の道具選びの楽しみの1つではないでしょうか。
ドマドームライトの結露と生地
ドマドームライトのフライシートには高い撥水性があり、雨の日も安心です。
また、ドマドームライトにはベンチレーターがないのですが、それでも通常のテントと同様かそれ以上の快適さを感じます。
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風は対角線上に高低差のある出入り口があるとよく流れるため、入り口から入り口の対角線上の下部に付いている「ベンチレーションウィンドウ」への風抜けが抜群となるのです。
さらに巾着型のベンチレーションと違い、悪天候でもファスナーでしっかりと締め切ることができる点も気に入っています。
完全に結露しない訳ではありませんが、かなり快適に過ごせるテントです。
さらにドマドームライト本体の生地には、東レ『ファリーロ』中空糸という内部が空洞になった糸を使用。
生地自体に空気をため込むことができ、寒さにも強くなっています。
ドマドームライト専用アンダーシート
ドマドームライトの専用アンダーシートは、長方形のシートで本体部分のみをカバーし土間部分はカバーしません。
そのため、専用アンダーシートの購入を悩んだのですが、一般的な正方形のシートでは「土間」がカバーされてしまって土間本来の役割を果たせないことに気づき、専用のアンダーシートを購入しました。
このアンダーシートを購入して一番良かったと思う点は、テント本体はカバーしつつ「土間」本来の使い方ができる点です。
特に悪天候時の出入りのしやすさは抜群です。テントの入り口にカバーされていない地面がありますから、靴のままサッとテント内に入った後でゆっくり靴を脱げます。
調理のときには、この部分をカバーできる防炎シートを使いバーナーが汚れるのを防いでいます。
用途に合わせて土間部分をカバーしたりしなかったりする使い方が、勝手が良く気に入っています。
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ドマドームライトの室内
テント内には、フックを引っかけたり紐を結べたりするループが付いていてとても便利です。
ループは土間に3つ、メインルームに6つあるので、ライトを引っかけるのはもちろん、ロープを渡してちょっとした物を干したりと便利に使っています。
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ポケットは、土間に1つメインルームに1つあります。サングラスなどの小物の収納に活用しています。
ドマドームライトの価格
ささや
ハンドメイドで丁寧に作るため、大量生産できないことが価格に影響しているようです。
私も購入時にはずいぶんと悩みました。しかしドマドームライトを使ってみた今は、その快適さから価格にも納得しています。
ドマドームライトシリーズの比較
数字でドマドームシリーズの3つのサイズを比較してみます。購入の参考にしてください。
ドマドームライト | ドマドームライトライト1 | ドマドームライトライト2 | ドマドームライトライト3 |
定価(税抜本体価格) | 49,000円 | 55,000 | 66,000 |
重量 | 1790g | 2000g | 2280g |
主寝室サイズ
(奥行×間口×高さ) |
75×200×104cm | 120×210×108cm | 150×210×110cm |
土間サイズ | 奥行60cm
入口部分110cm |
奥行60cm
入口部分112cm |
奥行60cm
入口部分112cm |
収納時サイズ | 本体32(43)×19φcm | 本体34(44)×20φcm | 本体34(44)×20φcm |
*重量=フライシート+本体+フレーム
アンダーシート | ドマドームライトライト1 | ドマドームライトライト2 | ドマドームライトライト3 |
定価(税抜本体価格) | 3,350円 | 3,650円 | 4,100円 |
サイズ | 200×75cm | 210×120cm | 210×150cm |
重量 | 150g | 200g | 270g |
*ドマドームライト3用のアンダーシートは「トレックライズ2用アンダーシート」を使用
<各サイズ共通の項目>
カラー
本体:クリーム
フライシート:フォレストグリーン
グランドシート:チャコールグレー
素 材
本体:28dnリップストップナイロン(東レ「ファリーロ」中空糸)
フライシート:30dnリップストップナイロンPUコーティング
グランドシート:40dnナイロンタフタPUコーティング
フレーム:NSL9フェザーライト(DAC社製)
ドマドームライト用アンダーシート
カラー:ブラック(墨黒)
素材:40dnナイロンタフタPUコーティング
<大きさ以外の違い>
ドマドームライトライト3は、後部にも出入り口があります。
(後部入り口には「土間」部分は無し)
ドマドームライト1をおすすめできる人とおすすめできない人
ドマドームをおすすめできる人、おすすめできない人についても紹介します!
おすすめできる人
- 「土間」が欲しい人
- 山でも料理やくつろぐ時間を楽しみたい人
- 寝る場所に汚れた靴などを持ち込みたくない人
「土間」が欲しい人
テント内に、「土間もどきの前室」ではなく「土間」が欲しい人はドマドームライト1択です!
山でも料理やくつろぐ時間を楽しみたい人
山での調理やくつろぐ時間を楽しみたいなら、ポールが3本で多少重量があるとしてもドマドームライトを買う価値があると感じています。
土間は結構高さがあるので、調理でバーナーを使うときも快適ですし、フライシートを巻き上げれば開放感も楽しめます。
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寝る場所に汚れた靴などを持ち込みたくない人
泥や雨で汚れた物とシュラフなどのきれいに使いたいものを、きちんと分けて置きたい人には本当におすすめのテントです。
さらに、バイクツーリングや夏の平地でのキャンプなど、重量にはこだわらず快適さを優先したい人には「ドマドームライトメッシュ」がおすすめです。
通常のドマドームライトの土間部分は、立ち上がりと天井以外は生地がありませんが、「ドマドームライトメッシュ」は、この部分がメッシュになっています。
ちなみに、2020年度のドマドームライトメッシュはサイズ2のみ150張の限定生産とのこと。残念ながら、ドマドームライトメッシュ1は生産休止だそうです。
ドマドームライトメッシュについての公式情報はこちら
おすすめできない人
- 少しでも小さいテントが欲しい人
- 少しでも軽いテントが欲しい人
- 少しでも安いテントが欲しい人
少しでも小さいテントが欲しい人
ドマドームライトは土間がある分、他の同サイズのテントよりもサイズが大きくなっています。
狭い山のテン場では、周りに気を使ってしまうことも。
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少しでも軽いテントが欲しい人
他のメーカーのテントと比べると、ドマドームライトは重めです。
テントに居住性よりも軽さを求める人には不向きなテントとなります。
テントを少しでも軽くしたい、でも土間スペースも欲しいという人には同じアライテントの「オニドーム」がおすすめです。
ドマドームライト同様ペグダウンできない場合でも使える前室付で、居住性と使いやすさを最優先して作られた軽量モデルのテントです。
オニドームはドマドームライトの同サイズのテントよりも、約500g=ペットボトル1本分軽くなっています。
少しでも安いテントが欲しい人
価格以上の価値を感じているとはいえ、安くはないドマドームライト。
他のギアにお金を回したい人には不向きかもしれません。
ドマドームライト1レビューまとめ
アライテントは毎年春に一年分を一斉に出荷、決まった数しか市場に出回りません。
さらに、ドマドームライトは他のテントより製造に手間がかかるため生産数が少なく、毎年夏には売り切れて手に入らないことも多くあるのでご注意を。
ささや
キャンプや山行のスタイルは人それぞれ、好みが大きく分かれるところですが「土間」の魅力が気に入った人には、本当におすすめできるテントです。
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