2022年の春にエバニューから満を辞して発売された新作のアルコールストーブ、ブルーノートストーブ。
驚くほど洗練された見た目で、軽量コンパクト。燃焼システムも他に類のない独特な仕組みを持っています。
今回はそんなエバニューのブルーノートストーブの使用感をレビュー!
使用時に気になったポイントもしっかりと解説していきますよ。
まずは特徴。このアルコールストーブは同社から発売されている400FDカップに、すっぽりと収まるように設計されたコンパクト&軽量なアルコールストーブです。
湯沸かし最小&最軽量クラスのギアの完成に驚いたものです。(湯沸かしセットがわずか92gで実現してしまった)
そんな新作のアルコールストーブですが、構造はサイドバーナー式。
横の小さな穴から炎が出る仕組みになっています。
横から炎が出てくるので、ごとくなしでクッカーをストーブの上に載せられます。
直径5センチのストーブ内にアルコール燃料を15ml滴下、たったこれだけの燃料で約400mlのお湯が沸かせます。(15mlの燃料で約7分燃焼します、室内使用時)
そして、ブルーノートストーブのセットについてくるのが、「プレヒート板」です。この板の溝に燃料を滴下し、ここに着火することで本燃焼までスムーズに移行できます。
重量はわずか13g。プレヒート版を合わせても20gと他に類を見ない軽さに仕上げられています。
大きさはこんな感じ。
各種、クッカーへのスタッキングや大きさ比較は参考までに。
- 燃焼効率の高さ
- この軽さとコンパクトさ
- ごとくなしでOK
- 湯沸かしまでのスピード
- かっこいい
わずか15mlの燃料で約300mlから400mlの湯沸かしが可能です。
カップ麺 約350ml
アルファ米 160ml
フリーズドライ 160ml
ソロであれば湯沸かしだけでこと足りる山ごはんで済ませることもしばしば。
荷物を最小限にしたい場合、燃料をあまり持たなくて良い点はうれしいものです。
本体は重さわずか13g。プレヒート板を加えても20g程度とほかのアルコールストーブと比較してもはるかに軽いのが特徴であり、魅力です。
持ってみるとその軽さが確かなものであることに気付かされます。
このアルコールストーブはサイドバーナー式。炎が横から出てくるので、鍋をそのままおいても燃焼を妨げないのが魅力です。
一般的にはアルコールストーブにはごとくが必須ですが、なしでOKなのはうれしい。
室内計測で400mlのお湯を沸かすまでのスピードは、5分30秒でした。
トランギアのアルストと比較して1分ほど早くお湯を沸かせるようです。
プレヒート板に着火して、5から10秒ほどで本燃焼。
最初は火が大きく横に広がり、しばらく経過すると落ち着く。
その後は一定の火力を維持し、約7分燃焼して鎮火。という感じ。
屋外では再度時間の計測が必要ですが、思ったより火力が高いことがわかりました。
鍋底と側面の両方から火があたり、効率的に湯沸かしが可能になっている印象です。
炎が上がるのがみえると、めちゃくちゃカッコいいです。このストーブ。
炎が手のように伸びる姿から、ブルーの手→bluenote→ブルーノートとなったようです。納得。
やっぱり他にない軽さ、どんなクッカーにもスタッキングできてしまうこのサイズ感はうれしいところですね。
ごとくが必要のないところもわずらわしくなく◎。
シンプルな道具、最小の道具で湯沸かしする。その限界に挑んだ開発者のコンセプトが伝わってきました!
ひとつは燃料の量が厳密に決まっているところ。(15mlまで、それ以上はだめ)
いつも適当に燃料アルコールを入れていたので、燃料量が決まっているのはやや面倒。多すぎると火が飛び、危険です。
プレヒート板を使うと、本燃焼までがスムーズです。
その一方で、プレヒート板に入れるアルコール量も目安量がわかりにくく、調整が難しい印象を受けました。
少なすぎるとうまく着火しないのでそれなりの量が必要です。慣れるまでは何度か試してみないと、ダメ。
プレヒート板なしでも着火してみたのですが、イマイチ火の上がり方がよくない感じます。
穴から4つしか炎がでず、燃焼が終わってしまうこともあり…日中だったら炎が見えず、困るよなあ。と思います。
着火後は火の上がりが強いので、どのような燃焼をするのか、事前に自宅で確認が必要です。
最初は火が強く、びっくりしてしまいました。自宅での着火練習はマストな気がします。
外径:50×32mm(本体)
径:62×7mm(プレヒート板)
容量:15ml
質量:13g/7g
素材:アルミニウム
生産国:日本製
価格:6,050円
ストーブ本体:4,290円
プレヒート板:1,980円
載せた状態から着火する場合、補助プレートの外溝にけっこうアルコールを入れとかないとうまく本燃焼にはなりません。また着火してからクッカーを載せると火の勢いが上がるので、あと載せの場合も注意が必要です。
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意外にプレヒート板への燃料量の判断が難しいです。自宅で事前の予習は必須だと思います。
山に登った際、こいつでお湯を沸かし、フリーズドライのカレーを作りました。そして、フリーズドライの待ち時間に再度お湯を沸かし、スープを作りました。食後には再度お湯を沸かし、インスタントのコーヒーを飲み一服。たった45mlの燃料でこれだけの事が出来るんです!しかも同社の400FDにスタックしている為、ザックの中の余分なスペースも取らない。
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そのとおりです!燃料コスパが非常にいいのが魅力。やや使い方にクセはありますが、そこもまた愛着が湧くポイントと言ってもいいでしょうね。
この軽さはやっぱり何にも変え難い軽さ。
極限まで荷物を軽くしていきたい方はもちろん、もっと気軽に湯沸かし調理を楽しみたい方はおすすめ。
お湯を沸かすことのハードルをかなり下げてくれた、そんなアイテムな気がしました。
すでに400FDカップを持っている方は相性ばっちりです。
比較的どんなクッカーであっても十分にスタッキングできるので、サイズを確認して自分好みのスタッキングを楽しんでみてください。
尖った商品だけにやや使い勝手に気になるポイントがありました。
ただ、気軽に湯沸かしを楽しめたり、燃料を極力節約して調理を楽しみたい方にはハマるギア。
はじめて手にしたときの、「これでお湯が沸かせるの?」という驚きはほんとうにすごかったんですよ。
万人にはウケないけど、刺さる人には刺さる。こんな感じの印象を受けました。
モノ好きなハイカーはぜひチェックを。